2012年10月25日木曜日

とどけ鳥日報 2012年 10月 24日 (天気:晴れ )

今日の空間線量0. 27μSV/h

食品・水・土壌の測定本日の受託件数本日の測定件数
13件20件

線量計(TERRA-P)本日の貸出数本日の返却数
0件0件

本日いただいたカンパ件数合計金額
6件5,430円

本日の支出支払い明細合計金額
 0円

■スタッフより■
水曜日は測定ボランティアの人数少ないのですが、今日は女の子ボランティアが3人全員そろいました。初めてのことです。何か打ち合わせしていました。なんだろう?

■主な測定結果

鮭(南相馬市小高側河口)16.60Bq/kg、柚(南相馬市小高区)89.84 Bq/kg、柿(南相馬市小高区)19.97 Bq/kg、柿(福島市庄野)29.88 Bq/kg、カリン(福島市庄野)11.79 Bq/kg

<キノコ類>

きのこ類も8検体測定しました。平均1732.4 Bq/kg(基準の約17倍)でした。基準値以下のものは茨城県のアミタケだけでした。

イノハナ
相馬市赤木
1584.59 Bq/kg
イノハナ
相馬市富沢
3284.92 Bq/kg
イノハナ
南相馬市原町区
1170.97 Bq/kg
きのこ
南相馬市原町区
3498.31 Bq/kg
アミタケ
相馬市富沢
2237.96 Bq/kg
アミタケ
茨城県
11.91 Bq/kg
マツタケ
南相馬市
261.96 Bq/kg
きのこ 香竹
南相馬市原町区
1808.83 Bq/kg

 

 持ち込まれた
ウラベニホテイシメジ
















 第18話 猫を採取してきてどうすんの?

 (前回までのあらすじ)

2012年61日より新たに活動をスタートした「放射能測定センター・南相馬」。そこに集まった個性的すぎるボランティアたち。人生に血迷い中の3人の若者ボランティアと南相馬代表の地元ボランティアたちが繰りひろげるドタバタ人間喜劇・悲劇? バケツ農家になる!と言って測定センターを飛び出していったMくんのその後は?

 

すでに50件近いキノコの測定依頼が・・

 
 
 
←イノハナ
 
 
 
 
 
 
悲しい結果ばかりのキノコ。

キノコを持ち込み、結果を聞き落胆される方たち。

「いつになったら…?」うらめしいセシウム137の半減期30年。

見つけるのも、採るのも楽しみ。匂いをかぐのも、食べるのも楽しみ。

季節の楽しみ、当たり前だった恵みが、

今は、食べられないキノコ。被災された方から、さらになぜこれ以上に奪うのか?

気持ちをどこにぶつければいいのか?だれか答えを教えてください。

 

そんな光景が繰り返された12週間の測定センター。今日も朝10時になってもMくんの姿はありませんでした。

 

「また今日もさぼりだな!Mのやろ~」

測定センターではそんな声が、測定ボランティアから。

「ただでさえ今日は人数少ないのに…」

測定センターでは秋の収穫とキノコの持ち込みで、毎日平均30件の依頼でママさんボランティアたちはあたふた。Mくんがいない分を陰でフォローしているのは当然BOSS

 

事務所のピリピリ感もなんのその。やっとひと段落した夕方の事務所に、ドヤ顔で戻ってきました。

大きなカゴを抱えています。何か採取してきたようです。

 

「ネコ捕まえてきました~」とMくん。

カゴの中から出てきたのはネコちゃんでした。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

「ネコを持ってきてどうするつもりだ!」とBOSSが言いました。

「ネコはうちでは測定できないんだよ」とやさしくママさんボランティアは言いました。

 

最近測定センターにあまり来なくなったMくん。この5カ月、川の土やら川の水やら、雑草やらいろいろな検体を採取し尽くし、もう調べるものが無くなったのか?最近ではバケツ栽培を始めるわ、農家になる!と言ったり、「菜種播種はオレに任せろ!」と種蒔きまくり!したり、

何がやりたいのか? あげくにネコを採取してくるようになるなんて…

 



 


Mくんのバケツ栽培は順調のよう?










南相馬の農業再生の希望の種だよ













よくよく聞いてみると仮設住宅にいた捨てネコを保護してきたようです。

「捨てネコがいるから、助けに行って!」と。

Mくんは唯一頭が上がらないわがまま娘のゆうことを聞いたのです。

Mくんはおかげでいい行いができました。

めんどくさそうにやったことですが、たまには褒めてあげましょう。


みんなの必死の説得に

測定をあきらめた?測定センターで飼うことをあきらめた?Mくんは原町の動物病院にネコちゃんを連れて行きました。

そこの先生はやさしく。「風邪のようね。私たちもできるだけ協力するから…」とネコを預かってくれました。

 

あとはまだ見ぬ飼い主がネコちゃんを迎えに行くだけです。

きっとネコちゃんも飼い主になるわがまま娘も、今より幸せになるのでしょう。
 
 

 

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

 

Mくんのネコちゃん騒ぎに、ご協力いただいた方へ

この場を借りてお礼申し上げます。

自宅でネコちゃんの保護に奮闘している忙しい中、相談にのってくれたキムラさん。里親を一生懸命、探してくれたウエムラさん。被災動物の保護団体のボランティアやスタッフの方々。ネコを預かってくれた動物病院の先生とスタッフの方たち。捨て猫をなんとか救おうと周りに声をかけた女性。

そしてMくんに命の大切さを教えてくれたわがまま娘さん。

 

ありがとう。

 

Mくん

これは測定センターの物語なんだから、もう少し測定センターっぽいことをしてね!と私から

 

(つづく)

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