2012年9月28日金曜日

とどけ鳥日報 2012年9 月 28日 (天気: 雨)

今日の空間線量0.25 μSV/h

食品・水・土壌の測定本日の受託件数本日の測定件数
0件6件

線量計(TERRA-P)本日の貸出数本日の返却数
0件0件

本日いただいたカンパ件数合計金額
1件1,000円

本日の支出支払い明細合計金額
キッチンパック743円

■スタッフより■
残念!寂しい!測定依頼が0。雨の影響でしょう。

6月1日まで日報をさかのぼって調べましたが、0件は今日が初めてです。

測定残数がまだ38件残っているで、あせりはありませんが少し心配。

 
しかしこれまで不思議なほど測定依頼が途切れなかったこと、

それはそれでこの測定センターが地域で果たしてきた役割の大切さを測定ボランティアとして感じました。

 
でも今日も初めて来所された方があり、「キノコやら貝やら測ってもらいたいものがあるので今度持ってくるから」と言っていただいたり、福島市のファーム庄野さんも「今日いけなかったけど、月曜日に送るので…」と連絡が入ったり。

 
だから来週火曜日からはまた忙しくスタートできそうです。

 

昨日の測定準備の続きです。

 
 
実と茎と根と土に分け測定します。
 















一見きれいそうですが・・・



 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
結節部を分けると泥がたくさん
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 


アワアワで洗います。















稲の根っこの間には土がいっぱいまとわりついています。

土を測ってしまうことになるので、きれいに洗います。洗剤をつけて洗いました。

 





きれいに仕上がり。おいしそう!
あとは調理、じゃなく乾燥を待つだけ












第14話 秘密結社??? 放射能測定センター・南相馬はどこだ!

 
(前回までのあらすじ)
2012年61日より新たに活動をスタートした「放射能測定センター・南相馬」。そこに集まった個性的すぎるボランティアたち。人生に血迷い中の3人の若者(他称)ボランティアと南相馬代表の地元ボランティアたちが繰り広げるドタバタ人間喜劇・悲劇? 今日も測定センターでは何かが?起こっているのでしょう。

近くに来たら、遠くからの覗いてみてください。

 

 「いま近くにいると思うんですが…、測定センターってどこにあるんですか?」

測定センターにはよくこんな電話がかかってきます。

 

南相馬市のどこかにあると言われている伝説?幻?の測定センター。

それが通称「とどけ鳥」の名で地域市民にまだまだ浸透していない「放射能測定センター・南相馬」

 

事務所を探し出すのは至難の技で

到達するのは、Mくんあこがれの鹿島の大穴鍾乳洞郡制覇以上、

超能力少年が住むと言われているバビルの塔クラス未満の困難さを極め

 

南相馬市原町区錦2-67という住所、スーパーサイヤの隣という明快なヒントがあるにもかかわらず

なぜか事務所への侵入?を阻む何かが…あるらしい。

 

 この写真のどこかにあるハズ

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
大公開!!

知る人ぞ知る!これが事務所前写真

 

3メートルの至近距離に来なければ見つけられない看板(A3サイズ)

 
 
「ここなにしてるとこ?」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
入り口前で侵入者(来所者)を阻む土の地獄(測定検体)



入口を防御する検体たち


 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
恐ろしい形相で測定準備をし、知らずに侵入者(来所者)を威嚇してしまっているボランティアたち


「おとなしく作業してね!」





 
 
 
 
 
 
 
 
 
さらに進めばたむろしているこわもておじさんボランティアたち
 
(写真なし)

 

 

「今日もだれもこないな~」

「なんでだろ~」と話し合うおじさんボランティア

 
(「当たり前じゃん!」と内心あきれるママさんボランティア)
 

 
そして夜になれば煌々と灯りがともる事務所

人生血迷い中の若者たちのたまり場?じゃない、作戦会議の場所。

 

どうか、そんな測定センターですがボランティアはみんないい人ばかり。

どうぞ、遠慮なくお立ち寄りください。

 

「畑に何も植えられなくてさびしく思っているんだ」

「子どもが戻ってこないっていうことが、立ち直れないんだ」

「梅やシソ、インゲン、ブロッコリーなど、みんなうちで作っていたものばっかり」

測定センターにこられた方の声です。

これらの声を聞き、県外ボランティアのMくんは何を考えるのだろう。県外からやってきて南相馬をこよなく愛するKくんは何を感じたのだろう。

 

(つづく)

2012年9月27日木曜日

とどけ鳥日報 2012年 9月 27日 (天気:曇り )

今日の空間線量0. 28μSV/h

食品・水・土壌の測定本日の受託件数本日の測定件数
52件8件

線量計(TERRA-P)本日の貸出数本日の返却数
0件0件

本日いただいたカンパ件数合計金額
4件3,500円

本日の支出支払い明細合計金額
トレー、クズ入れ2,205円

■スタッフより■
朝から、昨日採取してきた南相馬の試験水田の稲の測定準備を1日がかりでおこないました。
今日の主な測定結果は、すいか(小高区)12.8Bq/kg、白米(福島市)検出下限値以下、コシヒカリの実(原町区)14.1Bq/kg、原町区の井戸水2件とも測定下限値以下でした。
52件の測定受託件数のうち一般方からの測定依頼は少なかったのですが、チラシを見てきた方、外で測定準備をしてたので測定センターのこと話したら「今度依頼品持ってくる!」という人が何人かいました。

先日「Eテレ」にて放映された「チェルノブイリ原発事故汚染地帯からの報告」を、良くまとめた
ブログがありましたので、転載いたします。
http://moribin.blog114.fc2.com/blog-entry-1535.html     参考にしてください。


野菜類を乾燥させた食品には要注意!!
野菜などを乾燥させた場合、水分がなくなる事で重量当たりのセシウム含有量が10倍、20倍と
大幅に大きな数値となる可能性が高いので注意が必要です。




















2012年9月26日水曜日

とどけ鳥日報 2012年 9月26 日 (天気:晴れ )

今日の空間線量0. 27μSV/h

食品・水・土壌の測定本日の受託件数本日の測定件数
13件13件

線量計(TERRA-P)本日の貸出数本日の返却数
0件0件

本日いただいたカンパ件数合計金額
3,900円

本日の支出支払い明細合計金額

■スタッフより■
・本日の依頼件数は13件と割り合い低調となっている。
・最近の新聞報道で小高区飯崎地区および吉名地区の井戸水から88Bq/Kgと11Bq/Kgの
 セシウム数値が検出されたと報じられた事から同周辺地域からの井戸水の依頼が増加してい
 る。-4.01Bq、0.56Bq,-2.21Bqと何れもほぼ“0”レベルであった。
 先の報道で地域名で気にしている方が多いが、各々の井戸特有の要因で検出されたものと思わ
 れる。

2012年9月25日火曜日

とどけ鳥日報 2012年 9月25 日 (天気;曇り )

今日の空間線量0. 26μSV/h

食品・水・土壌の測定本日の受託件数本日の測定件数
15件15件

線量計(TERRA-P)本日の貸出数本日の返却数
0件1件

本日いただいたカンパ件数合計金額
4,158円

本日の支出支払い明細合計金額
ビブス作成費43,960円

■スタッフより■
・本日、新調したビブスが届きました。10月、11月の空間線量測定の時から着用する予定です。
 後姿が良いでしょう?











・本日の測定結果
 果実類; ゆず419.32Bq/Kg、栗111.90Bq/Kg、151.21Bq/Kg
       ブルーベリー46.09Bq/Kg
 野菜類; ゴーヤ37.05Bq/Kg、トマト93.09Bq/Kg、サツマイモ2.24Bq/Kg
       ソルゴ(トウモロコシの一種;飼料用)175.63Bq/Kg、ミョウガ33.63Bq/Kg
 その他; 乾燥しいたけ580.36Bq/Kg
 

 
 
 
 

2012年9月21日金曜日

とどけ鳥日報 2012年9 月 21日 (天気:曇り時々雨 )

今日の空間線量0.26 μSV/h

食品・水・土壌の測定本日の受託件数本日の測定件数
7件9件

線量計(TERRA-P)本日の貸出数本日の返却数
2件0件

本日いただいたカンパ件数合計金額
1件500円

本日の支出支払い明細合計金額
 0円

■スタッフより■
今日は新聞チラシ投入後1日目、チラシを見て新たに女性の方々が依頼に来てくださいました。
・小高区のみょうが21Bq/kg、沢庵(23年産自家製)11.6Bq/kg
・昨日測定の乾燥ゴーヤ(160Bq/kg)をゴーヤ茶にして測定してみました。結果は-0.27Bq/kgの不検出になりました。これまで当測定センターで測定した生のゴーヤは0,9~12,6Bq/kgでしたので最初乾燥ゴーヤを測定した時は少し驚きました。“Bq/kg”の結果だけで比較判断が難しいことがわかりました。詳細な結果考察は後日報告させていただきます。


2012年9月20日木曜日

とどけ鳥日報 2012年 9月20 日 (天気:曇り時々雨 )

今日の空間線量0.26 μSV/h

食品・水・土壌の測定本日の受託件数本日の測定件数
10件14件

線量計(TERRA-P)本日の貸出数本日の返却数
1件0件

本日いただいたカンパ件数合計金額
6件9,500円

本日の支出支払い明細合計金額
チラシ印刷・新聞折込159,758円、トイレットペーパー・ウエットティッシュ512円
160,270円

■スタッフより■
本日9月20日新聞折り込みのチラシ
見ていただきましたか?
配布エリアは南相馬市、相馬市、新地町です。
6月のチラシ投入のときほどでの反響はありませんでしたが、初めて測定依頼される方や測定ボランティアに興味がある方など測定センターに来てくれました。

<主な測定結果>
今日は14件の測定を行いました。
雑草(真野川の土手3,863Bq/kgの土のススキ)53.1Bq/kg、新田川のウグイ281.3Bq/kg、鹿島区の庭土6,630Bq/kg、原町のブルーベリー18.3Bq/kg
ひまわり→種6.1Bq/kg、額9.3Bq/kg、茎5.3Bq/kg、根67.2Bq/kg
検出下限値以下は、いわき市のピーマン、新地の水道水、原町のキャベツ




2012年9月19日水曜日

とどけ鳥日報 2012年 9月 19日 (天気:曇り )

今日の空間線量0.27 μSV/h

食品・水・土壌の測定本日の受託件数本日の測定件数
16件13件

線量計(TERRA-P)本日の貸出数本日の返却数
0件0件

本日いただいたカンパ件数合計金額
2件2,000円

本日の支出支払い明細合計金額
電話料金4,788円

■スタッフより■

920日の新聞折り込みに放射能測定センターのチラシが入ります。

ぜひ、ご覧ください。

食品・飲料水・土壌の放射能測定をしています。お気軽に測定センターにお持ちください。

測定センターのことを知らない方がいらっしゃったら教えてあげてください。測定ボランティア一同お待ちしております。

 

<主な測定結果>

今日は13件の測定をしました。

23年度産の栗(南相馬産)1,373 Bq/kg、真野川の土手の土(34号線西)3,863 Bq/kg、南相馬市鹿島区のナス、インゲン、白菜(すべて露地栽培)はいずれも検出限界以下。

 

魚介類の測定結果まとめ919日まで)

※後日ブログにて、マップにしてもう少し見やすくして報告します。お待ちください。

 

川魚の平均  966.8 Bq/Kg(12検体)

海の魚の平均  39.6 Bq/Kg(4検体)

 

※川魚はなまずの1検体以外はうなぎの測定結果で検体数12件、海の魚はボラ・サヨリ・アジの3種の4件。種類・検体数とも少ないので正確な検証はできませんが、相双地域の河川の現状を伺うことができる結果です。

食品中の放射性物質の新基準
食品群
基準値(Bq/kg
飲料水
10
牛乳
50
一般食品
100
乳児用食品
50
放射性ストロンチウム、プルトニウム等を含めて基準値を設定
 
 

■相双地域の川魚の測定結果

食品基準の100Bq/kgを下回ったには、唯一相馬市の宇多川のウナギでした。

 

 
■南相馬市内の川魚(北から)

うなぎ(小泉川)
相馬市
149.5 Bq/kg
うなぎ(宇多川)
相馬市
84.3 Bq/kg
うなぎ(真野川)
南相馬市鹿島区
310.5 Bq/kg
なまず(武須川)
南相馬市原町区高平
504.7 Bq/kg
うなぎ(武須川)
南相馬市原町区高平
436.3 Bq/kg
うなぎ(太田川)
原町区高田
665.7 Bq/kg
うなぎ(牛川)
原町区太田
1,814 Bq/kg
うなぎ(鶴谷)
原町区鶴谷
5,450 Bq/kg
うなぎ(小高川北)
南相馬市小高区
319.1 Bq/kg
うなぎ(新田川 中流)
南相馬市原町区
917.9 Bq/kg
うなぎ(小高川本流)
南相馬市小高区
545.5 Bq/kg
うなぎ(小高川南)
南相馬市小高区
404.0 Bq/kg

※天然ウナギの食性
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

生きているものなんでも食べます。ヤマメ、イワナから、カニ、げんごろう、オタマジャクシ、どじょう、ハヤなど様々。時にはネズミやヘビまで食べてしまいます。要は自分の棲家の周りにくるもの。目の前を泳いだり、動いたりするものがあれば反射的に食べてしまうようです。下記の参考数値にあるモクズガニも食べます。

 

 

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
<参考数値>

ヤマメ+イワナ(飯舘村)6043 Bq/kg、モクズガニ(南相馬市小高区)540.7 Bq/kg

水草(武須川 原町区高平)2,820 Bq/kg、うなぎの骨(南相馬市小高区)510.3 Bq/kg

鮎(岐阜県 馬瀬川)1.00 Bq/kg(検出限界以下)

鮎(岐阜県 木曽川)0.00 Bq/kg

 













 

■相馬・南相馬沿岸の魚

海の魚4検体から食品基準の100Bq/kgを超えるものは出ませんでした。

ボラ
南相馬市小高区
77.7Bq/kg
サヨリ①(相馬港)
相馬市
29.5 Bq/kg
サヨリ②(相馬港)
相馬市
25.2 Bq/kg
アジ(相馬港)
相馬市
26.1Bq/kg

 

 

 

第13話 測定ボランティアなんて

 

(前回までのあらすじ)

201261日より新たに活動をスタートした「放射能測定センター・南相馬」。そこに集まった個性的すぎるボランティアたち。人生に血迷い中の3人の若者(他称)ボランティアと南相馬代表の地元ボランティアたちが繰り広げるドタバタ人間喜劇・悲劇? 3人の県外若者ボランティアは「南相馬市 川の放射能マップ」を完成・「南相馬市 山際・雑草調査マップ」を未完成させ、Mくんは今日も測定センターにやってきた。

 

<主な登場人物>

Mくん:検体採取に命をかけるボランティア特攻隊長。落ち着かない測定員。Level11

Kくん:恋人絶賛募集中のまだまださぼりぎみ?ムードメーカー。最年少ボランティア。測定員level9

BOSS:ドタバタ測定センターをまとめ上げることができる唯一の男。市民の方から絶大なる信頼を得ているこわもてボランティア。

ママさんボランティア:うっとおしいぐらい男だらけの測定センターを救う? 毎日来てください!

 

 

南相馬にやってきたMくん① 

 

ママさんボランティアのインタビュー返し!!

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
(検体採取特攻隊長 Mくん)

 

Mくんが初めて南相馬を訪れたのは今年の412日。

震災から1年以上たってからでした。そして524日から測定センターのボランティアを始め、4ヶ月が経とうとしています。Mくんの唐突インタビューに真面目に答えてくれたママさんボランティアは、逆にMくんに聞きました。

 

ママさん:「いつまで南相馬にいるの?」

 

Mくん:「さあ?特に決めてないよ。とりあえず9月いっぱいはいるけどね。」

 

ママさん:「どうして測定センターのボランティアをはじめたの?」

 

Mくん:「他のボランティアより楽だから。夏は特に暑いし冷房が効いているから」

 

ママさん:「その理由だけ?」

 

ママさんボランティアの逆襲にひるんだMくん、

 

Mくん:「う~ん、どうなんだろう? 1日考えさせてッ!」と。

 

恥ずかしがり屋のMくんは翌日メールでママさんにインタビューの返事をしました。

 ↓

「オレは放射能に関わるボランティアがしたくて福島に来たんだけど、

なかなかそういうボランティアが見つからなくて…。結構探したよ。

たまたま南相馬の道の駅で「放射線量率マップ」を見つけ、マップをもらいに事務所に行ったのがきっかけかな?

 

最初はっきり言って測定ボランティアをしようとは思わなかったね。

「機械を使って測定するだけじゃ~ね」と感じたから。

でもとりあえず2週間ぐらいやってみよう!と。勉強にはなるかな~と思ったから。

“放射能”についてはほとんど何も知らなかったけど、

測定センターに来る人や他のボランティアの人、学習会を通して少しずつ分かってきたような…。

放射能のこと、南相馬の現状を。

 

ここでこそできた経験がたくさんある。

放射能の問題で苦しむ人たちの声や悩み、怒り。そういったことをたくさん聞くことができた。

実際の当事者ではない、県外から来たオレだけど、ほんの一部は感じ、知ることができたと思う。

 

「ただ測定して終わり」ではないことが測定センターの役割としてあることが分かった。

測定センターの運用を通じて、

・無知からでもいいからボランティア自身が学ぶこと、学んでいく過程が大切だっていうこと

・測定センターに来た人や地域の市民と共に学んでいこうと取り組んでいくこと

・測定センターで得た情報やネットワークの力を原発事故後のこれからの農や暮らしに活かしていくこと

・その手段として放射能測定を通じてのコミュニケーション以外に、学習会・DVD上映会・とどけ鳥文庫・ホームページがあること

 

ボランティアは南相馬市内の人、県外の人がいる。放射能について詳しい人、メチャメチャ詳しい人、断片的な知識はある人、オレのように詳しくない人、男の人、女の人、若い人、たまに来る人、いろいろです。いろんな人が関わることが大切だと思う。

 

いずれ南相馬から離れるけど、この測定センターのボランティアを通して経験し学んだこと。

それを踏まえて、放射能と向き合い、働くにせよ、食べるにせよ、暮らすにせよ、生きていくつもり。

そういうことをボランティアを通じて教えてくれるところ。

 

だからオレは「ラクなボランティア」とよく言われるけど、ここに来ることにこだわってきたんだ。

 

でも、どっちにしろオレはボランティアしにきたつもりはないから。」

 

メールを読んだママさんは思いました。

“私のボランティアしようと思ったきっかけと似ている”、と。

Mくんと私は置かれている状況や立場は全く違うのに…。言っていることは違うんだけど似ている。

“なんでだろう?”

そして、ママさんは少し理解できました。

Mくんがどうしてあんなに狂ったように検体採取に明け暮れていたのか。なんとなく。

 

「こんなにもたくさんの人が同じ思いをしている。」それは苦しいこと、悲しいこと、つらいこと、どうにもならないもどかしさ、怒りかもしれない。でもそこにこそ望みがあるような…、とまた別の地元のお母さんがMくんに言いました。

 

 

相変わらず彼ら3人の人生の血迷い度は変わりません。MくんをはじめKくん、Wさんの10年後はどうなっているのだろう?

ボランティアに来ているはずの3人は、まわりのみんなから心配されているのでした。とっても。

 

(つづく)